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ハガルの逃亡と出産

[旧約聖書 創世記16章1~11節]

神様から星の数ほどの子孫を持つことができると約束をいただいたアブラムでしたが、サライとの間に、なかなか子ができませんでした。そこで、サライはとうとう、ある決断をします。それは、彼女の女奴隷であるハガルを、アブラムの側女とすることでした。アブラムはサライのこの申し出を聞き入れ、ハガルを側女にしますが、この事がサライ自身を大変苦しめることになります。間もなくハガルは身ごもりますが、それまでサライに従順に仕えて来ていたハガルが、サライを軽んじるようになったのです。その屈辱に耐え切れなくなったサライは、アブラムにその事を告げて、アブラムを責めます。するとアブラムは、サライの訴えに理解を示し、サライにハガルを好きなようにしてよいと言います。アブラムの同意を得て、サライがハガルに対しつらく当たったところ、ハガルはたまらなくなって、アブラムとサライの元から離れてしまいました。身重の体で辛い状況から逃げ出したハガルでしたが、そんな彼女の元に主の御使いがやって来て、彼女が戻ってサライに従順に仕えれば、祝福されると約束されたのです。

この聖書箇所には、私たち現代人にも共通する人間関係の問題が、赤裸々に記されていると思います。ただ、時代背景として、子供が出来なければ、それは妻の責任とされたこと、跡取り息子が出来ないことは、当時の夫婦にとって決定的な「欠け」であったこと、また、(おそらく)合法的に側女を持つことが許されていたこと、などが異なる点だと思います。サライはもちろん、アブラムに側女など持たせたくはなかったでしょう。ハガルについては、自分に忠実な女奴隷として気に入っていたでしょうが、アブラムと労苦を共にしてきた自分を差し置いてハガルが祝福を受け、しかも、大きなお腹を自慢げに見せ付けられては、普通の女性なら、それだけでも耐えられないと思います。しかも、ハガルはサライとの間の主従関係が逆転したかのように振舞ったのです。ハガルはエジプト人でしたから、エジプト人の方がヘブライ人より優位な当時の関係からは、ハガルがヘブライ人の奴隷になるのはおかしいのですが、おそらく彼女は子供の頃に親から売り飛ばされるなどして、ヘブライ人の奴隷となったのだといいます。ハガルはそのような不幸な身の上でしたから、アブラムの子供を宿した途端、それまで耐え忍んできた不満が表に出てしまったかもしれません。とにかく、この時のサライとハガルとは、一触即発、とても円満な関係を保てる状況ではなかったと想像します。

しかし、神様は御使いを通して、ハガルに主人の元へ戻るよう、言われます。そして、そうする事の先に、祝福をお約束されたのです。神様は、厳しい現実から逃げようとしたハガルに、逃げてはいけないと説得されました。彼女にはアブラム一族の繁栄にとって欠かせない、大きな役割が与えられていたのです。そして、神様はサライとの関係を修復するという難しい課題を乗り切ってこそ、そこに彼女の幸福があるとお伝えになったのです。

逃げたいものから逃げた者を、神様が引き戻された箇所が新約聖書にもあるといいます。ルカによる福音書24章13節以下の、イエス様が十字架で死を遂げられた後、エマオへ向かっていた二人の弟子の前に、復活されたイエス様が現れた箇所です。この時、二人の弟子は信仰を捨て、絶望していましたが、イエス様によって、挫折を経験した場所であるエルサレムへ引き戻されました。このように、厳しい現実を避けず、困難に立ち向かって生きることを、神様は私たちに望んでおられるのです。

少し、説教の趣旨から離れますが、この聖書箇所を読んで、旧約聖書は一夫一婦制を勧めてはいないのだと思いました。キリスト教のカトリックでは離婚や再婚を禁じるなど、結婚に関して厳しい決まりがあるようですが、少なくとも旧約の時代において、一夫多妻制を禁じるような道徳概念はなかったのではないかと思います。現在、一人の夫と一人の妻、そして、その二人の間の子供・・・、それが理想で、幸福の形だと思われていると思いますが、それは、人間が混乱を避けて作り出した法律秩序のようなもので、必ずしも人にとって、最も理想的な夫婦の形態ではないように思ったりします。iPS細胞やSTAP細胞なるものが発明され、代理母出産などが可能になり、この先、生命誕生の神秘にどんどんメスが入れられていくのだと思いますが、サライのような女性が、宗教または科学の力によって、本当の意味で幸福になっていけることを祈ります。

※キリスト教の一夫多妻制に対する考え方に関する記事・・・http://www.nunochu.com/bible/faq/q_ipputasai.html
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